【孤独という名のワイン】エレガントで綺麗な酸の余韻、ミネラル感を追求した ソリチュード グランドキュヴェ2020
マンゴー、パイナップル、パッションフルーツのアロマが芳醇、柑橘のマーマレード、ノワゼット、ビスケット、黄色い花、ミント、海風の香りが複雑に混じります。
味わいにはしっかりとした果実味のアタック、ボリューム感のあるボディを感じ、トロピカルフルーツを感じさせる戻り香、溌剌とした筋の通った酸、余韻に塩味が持続します。味わいの前半(甘いと感じるくらいの果実味、厚み)と後半(張り詰めた酸味、特徴的な塩味)とで違った特徴を見せます。区画で育まれる豊かなアロマやボリューム感に樽熟成の旨味が調和したバランスの良い辛口白ワインです。
アルコール度数が果実由来で13.5°ありますが、その高さを感じさせません。
料理との相性:
酸味、塩味との相性を求めた素材による料理。フレッシュな状態よりも火入れして調理した料理に適する。白身魚、貝類、甲殻類、ブールノワゼットにレモンを加えたソース。バジルを添えた料理。エスカベッシュ、ムニエル、白身肉の揚げ物など。
バターを使って香ばしさと柑橘系の爽やかさを強調したり、ハーブ類や酸味を強調したソースとの相性が良い。レモンを添えると料理もワインも引き立てます。
グラス:
大きめのソーヴィニョンブラン(または更に大きなボルドー)系のグラスをお勧めします。
理想の温度:
17度から20度(白ワインですが最適温度は18℃で、質感、果実味が一番複雑です。22℃を超えるとアルコール感、塩味がより強調されます。
製造の特徴
2020年産の白ブドウを、除梗破砕なし、全房にて酸素を遮断しながら独自のプログラムでプレス掛け(搾汁率63%)を行い、嫌気的条件下にてステンレスタンクでアルコール醗酵をさせ、リンゴ酸と果実味を守るためにMLFを行わず、中央フランスアリエ産の樽(新樽率85%、残り15%は3年目の小樽)で酵母由来の澱(リ・フィーヌ)と接触しな
がら、品温17℃にて5ヶ月間熟成させて生まれました。
内容量:750ml アルコール分:13.5%
★★スタッフからのおすすめ★★
果実味やフレッシュさに樽熟成によるボリューム感を高度に共存させ、旨みの強い食との調和へ野心的に挑戦するガストロノミックな1本〜平川ワイナリー ソリチュード・グランキュベ 2020〜
先週ご紹介したNotre Siècleに続き、今年のもう1本の白のGrade Cuvée、ソリチュード・グランドキュヴェ 2020のご紹介です
ソリチュードは毎年お問合せの一番多いワインですが、2020はTerre de YoichiとGrade Cuvéeが両方リリースされるという、幸福なヴィンテージとなりました
ブドウ品種は同じですが、Grade Cuvéeは新樽率85%で樽熟成されており、区画で育まれる豊かなアロマやボリューム感に樽熟成の旨味を調和させるバランスが表現されています
栓を開けると… か、香りが…!
まずはパイナップルやパッションフルーツなどのトロピカル感が強い、非常に南国フルーティで力強い香りに圧倒されます
そしてそのままひとくち口に含むと、最初はその香りのイメージそのままの果実味とジューシィな厚みを感じるのですが、その後後半へ向かうにつれ、溌剌とした酸や塩味が現れ、樽熟成から生まれる香ばしい風味も加わり、上品さを纏った複雑な味わいへと着地します
香りと飲み口は華やかでフルーティでフレッシュですが、酸味と塩味がしっかりと軸にあり、樽の香ばしさもあることから、白身魚や貝類甲殻類、白身肉など火を通して旨みが強く出る素材、バターの香ばしさや柑橘類・ハーブ類の風味をもったテイスト全般と相乗します
果実味、フレッシュさ、酸味、塩味、香ばしさ、複雑な要素それぞれが力強くかつ上品に、高度なバランスで野心的に調和したこのワイン、ひとことで表すのが難しいですが…
飲み手視点でいうと非常に“ガストロノミック”な1本、でしょうか
食事とワインの相性を探る際、酸味や果実味などの要素から探していくことになるわけですが、実際には料理にはそうしたシンプルな要素に分解されない、複雑で高度な風味の調和があるわけですよね
そうした、旨味の強い渾身の一皿がもつ高度な調和に対して、野心的に挑むガストロノミックなワイン、といえるのではないかと思いました
「ちょっといい料理に合わせていいワインが飲みたい」という欲求にぴったりな1本ではないでしょうか♪
是非豊かな香りを引き出す大きめのソーヴィニヨンブラン型グラスでお楽しみください